武蔵野房の1年の活動をミツバチの生活と共に解説します。

武蔵野房が育てているミツバチが、1年を通して一体どんな生活をしているのか?

本記事では武蔵野房が育てているミツバチの生活を1月ごとに分けて解説します。

目次

1月

昨年の11月末、長野県から戻ってきた蜂群は巣箱の中でおしくらまんじゅうのように押し合いをして蜂球を作り、温度を32度程度に保って静かに越冬中です。

しかし蜂球の中心では少しですが育児を続けている郡もあります。

昨年秋、いちごハウスのポリネーションで活躍中の蜂郡の中には過酷な環境での労働で壊滅郡も出始め、イチゴ農家の要請で新蜂郡への入れ替えも実施します。

2月

立春に先駆ける月初め過ぎ、養蜂家は「今年の越冬成績はどうかな?」と期待と不安が入り交じる中巣箱を開け、糖液の給餌とダニ駆除役の投与をし、暮れから寒さに合わせていた蜂群の入った巣箱に紙等で保温をし「春がきたよ」と告げ、産卵を促しますが、彼らも太陽の角度から春の到来を知っていて女王蜂は産卵を開始します。

3月

立春を起点に産卵を始めた蜂群は、野外の梅の花の花粉を集め子育てをし、20日のお彼岸頃からは産卵もピークに達し1日1500〜2000個と自分の体重以上の卵を産んで来たるべき4月下旬の大流蜜に備えます。

彼岸の頃になると昨年秋に生まれた越冬の働き蜂は寿命を迎え、今年新しく産まれた働き蜂に後を託します。

4月

1月、約1.5万匹前後で越冬していた蜜蜂はこの時期になると3万匹の大家族になります。

1日に2千匹くらいの勢いで増え続け、桜の花の満開に合わせて巣箱の容積が二倍になるように継ぎ箱(平屋から二階建てに)にして、蜂蜜採取の準備をします。

例年都内では桜の花の終わる20日頃に第一回目の採蜜となり、1郡10kg前後の収穫です。

下旬になると動蜂の数はピークに達し、5万〜6万匹になります。

5月

都内は花のピーク(養蜂家は大流蜜期と表現します)を迎え、蜜蜂も私達養蜂家も1年で一番忙しい季節です。

この時期、蜜蜂の巣内から蜂蜜を採っても野外には次から次に花が咲き、巣内には3日もすれば貯蜜されます。
ですが、濃度が薄いので夜間彼らは羽で旋風し乾燥させ糖度が77度くらいまで上がると蜜の入った巣房が蜜蝋で塞がれ巣板が2〜3割くらい塞がれると、再び採蜜をします。

6月

夏到来のこの時期、私は信州安曇野に蜜蜂を移動し、都内に比べると1ヶ月遅れで開花するニセアカシアの蜜を採ります。

この既設の長野県は蜜蜂にとっては最高後ですが、天敵のツキノワグマ生息していて蜜蜂の巣箱を壊して蜂蜜と蜂の子を食い荒らしてしまうことがあります。

そのため巣箱の周りには熊よけの電気柵を張り、8000ボルトの電流を流して防御しています。

このツキノワグマの驚異は11月まで続きます。

7月

季節が一ヶ月遅れの安曇野も梅雨と夏の暑さがやってきて、野外の花の少なくなるこの頃から蜜蜂の繁殖をします。

蜜蜂の中には優秀な群がいるので全体の蜂群の中から優秀な何群かを選び、巣房の中から孵化して2日齢の蛆を掬い採り人工の王台(女王蜂を育てるベッド)に移虫すると約12日くらいで処女王が誕生し、1週間後には後尾、10日後には産卵が始まります。

1郡を3分割し3倍の数の蜂群に増やします。

8月

給餌の季節です。

新女王が産まれましたが、野外の花が少ないこの時期長雨が続くと蜂郡は餌不足で餓死することがあります。

そのため砂糖を溶いて糖液を作り、給餌とダニ剤を巣箱に投与します。

また、先月の新王郡の中には後尾に失敗する郡等3割くらいは思うように行かない郡もあり、その救済を実施します。

信州の山中とはいえ、炎熱の夏の作業は養蜂家の真価が問われる時期ともなります。

9月

秋風と共に天敵スズメバチが新女王蜂の郡にダメージを与えるので巣箱にトラップを仕掛け防御します。

幸いなことに、私の転飼先は標高が高くオオスズメバチが少なく被害は少ないようです。

蜂群は蕎麦の花を代表とする秋の花に訪花し蜂群を更に充実させ、巣内では越冬の働き蜂は産まれます。

この越冬蜂は野外活動などは一切せず、ジッと巣内で過ごしています。
(蜜蜂の寿命は飛翔等の筋肉疲労度が影響します)

来年の成果はこの時期にかかっています。

10月

初旬は9月に引き続き蜂群を充実させ、貯蜜の少ない郡には越冬に必要な巣板の半分が蜜で満たされるまで給餌を実施します。

これを怠ると、越冬中に餓死郡が出てしまいます。

中旬以降になると霜が降りるようになり、蜜蜂には過酷な季節の始まりです。

暖かな日中にはスズメバチの襲来が激しくなり、油断するとトラップが合ってもすり抜けてしまい巣内に侵入し、巣内の蜂を噛み殺した後、巣を乗っ取り蜜や蜂児を食い漁り蜂群を壊滅されてしまいます。

この時期から蜂群の一部はイチゴの受粉用として出荷します。

11月

寒さが一段と厳しくなってくると、スズメバチも来なくなり養蜂家は一段落の季節です。

蜜蜂は寒さに合わせて産卵を減らし、蜂球を作って静かに越冬体制に入ります。

月末には東京に蜜蜂を移動させるため、巣板の釘止めや荷造りをして引っ越しの準備を始めます。

お世話になった信州の皆さんに来年の初夏までのお別れをして帰郷です。

12月

東京に戻った蜂群は信州より暖かいので、産卵を始める蜂群もありますが少しの動蜂を育てるため、多くの動蜂の寿命が短くなるので巣箱に保温の覆いとかはせず、出来る限り寒さに合わせ産卵を抑制するようにします。

養蜂家には休息の季節です。

この期間に来年の巣箱、養蜂資材の準備をします。

イチゴハウスに行った蜂群のケアなんかも実施しています。

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